
外資系企業で働くビジネスパーソンにとって、本国からのビジター(HQスタッフやボス)をアテンドするのは、信頼関係を築く絶好のチャンスです。特に「Izakaya(居酒屋)」は、リラックスした雰囲気で本音のコミュニケーションができる場所として、海外ゲストにも非常に人気があります。
しかし、乾杯の直後にやってくる「お通し」という名の小さな小皿。 これに対するゲストの反応は、多くの場合「Oh, I didn't order this.(これ頼んでないよ)」という戸惑いです。
ここであなたが「It's just a Japanese rule.(日本のルールなんだ)」とだけ答えてしまうのは、もったいない! 今回は、ビジネスエスコートとして「お通し」を日本文化のエッセンスとしてポジティブに伝え、ゲストを納得させる英語術を徹底解説します。
1. 外国人ビジターが「お通し」に抱く3つの疑問
まず、なぜ彼らが「お通し」に違和感を持つのかを知っておきましょう。
- 「頼んでいないものにお金を払いたくない」: 欧米の商習慣では、サービスの対価は明確であるべきだと考えられます。
- 「パンは無料なのに」: イタリアやフランスではパンが、アメリカではチップスが無料で出ることが多いため、「サービスの軽食=無料」という先入観があります。
- 「アレルギーや好き嫌いの無視」: 選択権がないまま食べ物が出てくることに、衛生面や食習慣の観点から警戒心を持つ人もいます。
これらを解消しつつ、日本の「おもてなし」として昇華させるのが、あなたの役割です。
2. ホストとして使える「お通し」英語説明フレーズ
ゲストが席に着き、おしぼりを受け取った直後のタイミングで、さらっとこう伝えましょう。
① 「お通し」を概念で説明する
「お通し」を単なる「Food」ではなく「System」として定義します。
- "In Japan, Izakayas have a unique custom called 'Otoshi'. It’s a mandatory small appetizer served to every guest." (日本では、居酒屋には「お通し」という独自の習慣があります。すべてのお客様に出される、必須の小皿料理のことです。)
- "Think of it as a combination of a table charge and a welcome snack." (テーブルチャージとウェルカムスナックが合わさったものだと考えてください。)
② なぜ「お通し」があるのか?(文化的背景)
単なる課金ではなく、ポジティブな理由を添えるとゲストの納得感が変わります。
- "The purpose is to provide something to snack on immediately while you wait for your main orders to be prepared." (メインの注文が出来上がるまでの間、すぐに食べられるものを提供するためなんです。)
- "It’s a sign that the kitchen has accepted our order and started preparing our meal." (厨房が私たちの注文を受け付け、準備を始めたという合図でもあるんですよ。) ※「お通し」の語源(お通ししました)に触れると、知的な印象を与えられます。
③ 料金についてスマートに触れる
後でレシートを見て驚かせないよう、事前にコストについても言及します。
- "It usually costs around 500 yen per person, which is reflected in the final bill as a seating fee." (通常、一人500円ほどかかり、最終的な会計に席料として反映されます。)
3. ゲストのタイプ別・対応のコツ
ゲストの性格や立場によって、説明のトーンを変えるのがプロの仕事です。
合理主義なボスには「効率性」を強調
「注文を考える時間を稼ぎ、すぐに乾杯できるための合理的なシステムだ」と伝えると、「なるほど、効率的だね」と納得してもらいやすくなります。
日本文化好きの同僚には「季節感」を強調
「お通しにはその時々の旬が詰まっている。お店の個性が一番出る小皿なんだ」と伝えると、彼らにとってそれは「未知のグルメ体験」に変わります。
4. 居酒屋でのコミュニケーションを加速させるために
「お通し」のハードルを越えれば、あとは楽しい宴の始まりです。しかし、刺身の種類、日本酒の銘柄、焼き鳥の部位……居酒屋には英語で説明するのが難しい要素が山ほどあります。
本国のゲストに「この店を選んでくれてありがとう、君のアテンドは最高だ」と言わせるためには、現場で即座に使える**「居酒屋接客・交流フレーズ」**をストックしておくことが欠かせません。
もしあなたが、ゲストとの会話をもっと弾ませたい、あるいは店員さんとの間に入ってスマートに通訳をこなしたいなら、以下の記事にあるフレーズ集が大きな武器になります。
▶ 外資系社員も使える!居酒屋英語フレーズでアテンドを成功させる極意
5. 【キャリアの視点】「英語での接待」に自信が持てないあなたへ
本国のエグゼクティブを前にして、英語で文化の説明をする……。 頭ではわかっていても、いざとなると言葉に詰まってしまったり、ニュアンスが伝わらずに冷や汗をかいたりした経験はありませんか?
「お通し」の説明ひとつにしても、自信を持って堂々と話せるかどうかで、あなたの**「プロフェッショナルとしてのプレゼンス(存在感)」は大きく変わります。
外資系企業において、英語は単なるツールではなく、信頼を勝ち取るための武器です。しかし、多くの日本人が「フレーズ集」を暗記するだけで終わってしまい、肝心の「自分の言葉で伝える力」が身につかずに苦労しています。
なぜ、あなたの英語は「接待」で通じないのか?
ビジネスシーン、特に酒席のようなカジュアルかつデリケートな場での英語力は、短期間の詰め込みではなかなか身につきません。実は、英語の壁を突破して「自由に、自信を持って」話せるようになるには、約800時間という一定の学習量と、正しいトレーニング順序が必要です。
「これまで何度も英語学習に挑戦したけれど、結局挫折してしまった」 「仕事が忙しくて、これ以上どう勉強すればいいかわからない」
そんな悩みを抱えているなら、まずは「なぜ自分が今まで失敗してきたのか」を知ることから始めてください。根性論ではなく、脳科学や学習効率に基づいたアプローチを知ることで、あなたの英語力は確実に、そして劇的に向上します。
ビジターを連れて自信満々に居酒屋の暖簾をくぐれる自分になりたい方は、ぜひこちらの記事を一読してみてください。
▶ 英語の挫折を乗り越える!800時間の壁を突破し、外資系で生き残る英語力を手に入れる方法
6. まとめ:お通しは「文化の架け橋」
「お通し」は、単なる居酒屋のルールではありません。それは、ゲストを歓迎し、スムーズに食事を楽しんでもらうための日本流の知恵です。
- 「Appetizer + Table charge」という概念で伝える
- 「注文が通った証(Sign)」というストーリーを添える
- コストを事前に明示し、透明性を保つ
これらをスマートにこなすあなたの姿に、本国からのビジターは「このパートナーは日本のことをよく理解しているし、こちらの立場も配慮してくれている」と、深い信頼を寄せるはずです。
次回の接待では、ぜひ自信を持って「Otoshi」を語ってみてください。